
AV情報家電 家電製品アドバイザー(エグゼクティブ等級)のyacchiです。
ソニー純正のEマウントレンズにはいくつかシリーズがあります。
一番上が「G MASTER」、次に「Gレンズ」・「ZEISSレンズ」、その下に無印のレンズがあります。
品質と値段の高い順に並べると以下です。
「G MASTER」 > 「Gレンズ」・「ZEISSレンズ」 > 無印
ソニーのレンズは名称に「FE」とあるのがフルサイズ用、「E」とあるのがAPS-C用です。
今回は、「Gレンズ」の標準ズームレンズ 『FE 20-70mm F4 G』 を購入したのでレビューします。
実際に自分で購入して使用したレビューなので是非参考にしてみてください。
- SONY FE 20-70mm F4 G の使い勝手
- SONY FE 20-70mm F4 G の描画性能
- SONY FE 20-70mm F4 G の手振れ補正
- SONY FE 20-70mm F4 G のフォーカスブリージング
- SONY FE 20-70mm F4 G の価格
- SONY FE 20-70mm F4 G の外観
- SONY FE 20-70mm F4 G の特徴
- SONY FE 20-70mm F4 G の仕様
- SONY FE 20-70mm F4 G はどんな人におすすめか




FE 20-70mm F4 G を購入した理由
今回、久しぶりにソニー純正レンズ『FE 20-70mm F4 G』を購入した理由は以下です。
- メインで使用していた『TAMRON 17-50mm F/4 Di III VXD』の動画撮影時のアクティブ手振れ補正の効きが弱かった
→ソニー純正レンズが必要と感じた
- 一般的な標準ズームレンズは広角側が24mmか28mmスタートで物足りなかった
- 20~70mmの画角があれば昼間の動画撮影はこのレンズ1本で事足りると思った
レビュー 結論:高品質・万能レンズだがコストパフォーマンスに難あり
SONY ズームレンズ『FE 20-70mm F4 G』レビューの結論は以下です。
- 動画・写真撮影において万能な標準ズームレンズ
- くっきり解像度の高い画質
- 軽量・コンパクト
- 手振れ補正の効きはかなり良い
- フォーカスブリージングはない
- コストパフォーマンスに難あり
理由①:万能ズームレンズ
とにかく普段ほとんどこれ1本で事足りる万能ズームレンズです。
昼間の動画撮影や旅行での写真撮影なら、このレンズ1本で事足りると思います。
広角が20mmスタート
私は撮影旅のジャンルを動画で切り出しています。
旅行先の広大な景色など、24mmでは少し物足りなさを感じてしまいます。
世の中の標準ズームレンズの広角側のスタートは、24mmか28mmのものがほとんどです。
それが20mmスタートとなると大分広角側の画角が広くなります。
実際に画角の変化を見てみます。



20mmと24mmは僅かではありますが、画角の広さが違います。
実際には、20mmと24mmの4mmの差は結構あると感じます。
望遠側が70mmまである
『TAMRON 17-50mm F/4 Di III VXD』は、望遠側が50mmです。
もう少し寄りたい時があります。
そんなときに望遠側が70mmまであれば、かなり使えると思います。
実際に画角の変化を見てみます。


50mmと70mmではかなり大きく画角が違います。
70mmの方がより寄れるので、ボケの表現や圧縮効果を狙った撮影はしやすいです。
圧縮効果とは、被写体と背景(近景と遠景)の奥行き感を圧縮する効果のことです。
奥にある景色がより近くに迫って見えるため、ダイナミックで迫力がある、主題が明確な印象を与えます。
理由②:良い画質
『FE 20-70mm F4 G』は、ソニー純正レンズでは、「G MASTER」の次に位置する「Gレンズ」です。
さすがに解像度が高く、描写性能は良いと感じます。
PCmag レビューのサマリーを引用します。
PCmag:Sony FE 20-70mm F4 G Review
- 外観:花形レンズフードが付属。
- 構造:GシリーズだがG Masterのような作り。防塵防滴。フッ素コーティング。
- 携帯性:LUMIXよりも大きいが、それほど大きいわけでもない。
- 操作性:ズームリングとフォーカスリングはゴム製で握りやすい。絞りリングは1/3段刻みで操作可能。2か所にFnボタンあり。
- AF:どのカメラでも高速AF。わずかなフォーカスブリージング。
- MF:好みよりも少し緩いリング操作。
- マクロ:接写性能が高い。
- 手ぶれ補正:非搭載。
- 解像性能:α7R IVとの組み合わせでF4から3900本。絞ると4300~4700本と優れた性能。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:G Masterに劣る。玉ねぎボケの兆候あり。
- 軸上色収差:良好な補正状態。
- 倍率色収差:良好な補正状態。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:カメラ側の補正に依存。補正必須。
- 周辺減光:記載なし。
- コマ収差:記載なし。
- 逆光耐性:記載なし。
- 光条:F11でシャープな光条。
- 総評:ほぼ完璧なズームレンズ。携帯性が良く、素晴らしい画質で便利なマクロ機能を備えている。汎用性の高い常用ズームレンズとしては強くおすすめできる。目の肥えた愛好家やプロはG Masterを選択するはずだ。
私が見ても、解像度は非常に高く、よりくっきりと撮影できます。
写真の腕前はまだまだですが、いくつか作例を載せておきます。
α7cⅡに装着して撮影しました。
全てJPEG撮って出しです。

















理由③:軽量・コンパクト
『FE 20-70mm F4 G』は、ズームレンズにしてはかなり軽量・コンパクトなレンズです。
今まで使っていた『TAMRON 17-50mm F/4 Di III VXD』とほぼ同じ質量で長さは短いです。
『TAMRON 17-50mm F/4 Di III VXD』に比べて、バッグに入れやすいです。
FE 20-70mm F4 G | 17-50mm F/4 Di III VXD | |
---|---|---|
長さ | 99mm | 114.4mm |
最大径 | 78.7mm | 74.8mm |
質量 | 488g | 460g |
理由④:手振れ補正の効きが良い
ソニーのカメラは純正レンズだと手振れ補正の効きが良いです。
手振れ補正の効きの強さが、今までメインで使用してきた『TAMRON 17-50mm F/4 Di III VXD』とは別に、新たに『FE 20-70mm F4 G』を購入した一番の理由です。
アクティブ手振れ補正の効きが分かる動画をアップしたのでご確認ください。
『FE 20-70mm F4 G』も手振れはするのですが、『TAMRON 17-50mm F/4 Di III VXD』よりも手振れ補正の効きが強いです。
- SONYのカメラでアクティブ手振れ補正を使用すると、約10%クロップされ画角が狭くなります
純正レンズ以外の手振れ補正の効き具合
ソニーのカメラは純正レンズ以外の手振れ補正の効きが弱いです。
『TAMRON 17-50mm F/4 Di III VXD』は、10万円以内の価格でインナーズームの使い勝手と写りが良く、とても気に入ってました。

しかし動画撮影を始めてみて、手振れ補正の効き具合が気になりました。
一眼カメラ用のジンバルは持っていませんし、当面購入するつもりもありません。
持っていく荷物が増えてしまうからです。
手持ち撮影となるとアクティブ手振れ補正の効きが良い方が良いわけです。
ソニーのカメラは、なぜ純正レンズ以外での手振れ補正の効きが弱い仕様なのでしょうか。
パナソニックのLumixは、サードパーティ製レンズでも手振れ補正はかなり効くようです。
ソニーカメラでのレンズの選択肢を広げる意味で、パナソニックさんに見習ってほしいものです。
理由⑤:フォーカスブリージングはない
『FE 20-70mm F4 G』のフォーカスブリージング有無を検証した動画をアップしたので、ご確認ください。
フォーカスを前後に動かしても、まったく画角の変化がありません。
したがって、『FE 20-70mm F4 G』は、動画撮影にも適したレンズと言えます。
フォーカスブリージングとは、カメラのピント位置を動かしたときに画角が変化する現象です。
動画撮影時にピントを合わせる対象を移動させると、画角が変化して映像が不自然になることがあります。
理由⑥:コストパフォーマンスに難あり
『FE 20-70mm F4 G』の価格は、ソニーストア価格で191,400円(税込)、マップカメラ 新品価格で172,260円(税込)と結構高いです。
『TAMRON 17-50mm F/4 Di III VXD』の価格(マップカメラ 新品価格:84,420円)の約2倍以上です。
そう考えるとコストパフォーマンスは良いとは言えません。
GMレンズだと更に高くなります。
この価格設定は、Appleと同じ匂い(利益率が高い)がします。
新品を買うならマップカメラやAmazonも良いですが、ソニーストアでの購入もおすすめです。
クーポンが配布されていて結構安く購入できるし、ソニーストアで購入するとメーカー保証が3年もつきます。

また、新たなカメラやレンズを購入する際は、不要なカメラやレンズを買い取ってもらって購入資金を作るのも良いと思います。
カメラやレンズは資産性があるので、割と高く買い取ってもらうことが可能です。



レンズは高い買い物なので、まずはレンタルで試してみるのもアリだと思います。

同時に購入したもの
レンズと同時に購入したものは以下です。
- レンズ保護フィルター
- NDフィルター
レンズ保護フィルター
レンズ保護フィルターは以下のものを購入しました。
ケンコー(Kenko) 72mm レンズフィルター PRO1D です。
最近よく、PRO1Dを使っています。



NDフィルター
NDフィルターは以下のものを購入しました。
K&F Concept 72mm 可変NDフィルター ND2-ND32 です。

NDフィルターは動画撮影時にシャッタースピードを遅くするために使います。
※動画撮影時になぜシャッタースピードを遅くする必要があるか、はこちらの記事をご参照ください。
このNDフィルターにはキャップが付属していませんでした。
なので追加で以下のキャップを追加購入しました。

外観
レンズの外観はこんな感じです。


※アイリスロック(IRIS LOCK)とは、カメラの撮影モードや絞り値を固定する機能






主な特徴
ズーム全域で開放F値4の明るさを実現
使用頻度の高い焦点距離20mmから70mmまでの全域で、開放F値4の明るさを実現しています。
ズーム全域で開放F値が変動しないため、意図した絞りで撮影を行えます。
望遠側のF値が低くなるレンズが多いですが、広角側と開放F値は同じで望遠側でも明るい撮影が可能です。
ボケの表現もF4もあれば、背景が抜けているなど工夫すれば充分に可能です。
最短撮影距離が短い
最短撮影距離はそれぞれ、AF時は0.3m(ワイド端)-0.25m(テレ端)、MF時はズーム全域で最短撮影距離が0.25mです。
最大撮影倍率は、0.39倍で被写体を大きく写せます。
最短撮影距離が短いのでマクロレンズ的に使うことが可能です。
実際にかなり寄れるので、使い勝手が良いです。
高いAF性能
フォーカス群には最新のXD(extreme dynamic)リニアモーター2基を採用しており、高い推力で高速かつ静粛、振動を抑えたフォーカス駆動が可能です。
推力効率が従来機種(SEL2470Z比)より大幅に向上したため、AF速度が従来比(SEL2470Z比)で約60%高速化。
実際に使ってみてもフォーカスは爆速で合います。
操作性に優れている
小型ボディでありながら、3つの絞りリングやカスタマイズ可能なフォーカスホールドボタン、アイリスロックスイッチなどを搭載しています。

2. ズームリング
3. 絞りリング
4. フォーカスホールドボタン
5. フォーカスモードスイッチ
6. アイリスロックスイッチ
7. 絞りリングクリック切り換えスイッチ(レンズ右側面)
出典:SONY公式HP
絞りはボディ側で調整も可能
絞りリングを「A」に合わせれば、従来レンズのようにカメラボディ側で絞り(F値)の変更が可能です。
私はカメラ側での操作が慣れているので、「A」に合わせる設定にしています。

レンズ構成図

MTF曲線

主な仕様
製品名 | FE 20-70 mm F4 G |
型名 | SEL2070G |
レンズマウント | ソニーEマウント |
対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離 | 20-70mm |
レンズ構成 | 13群16枚 |
画角 | 94°-34°(35mm判) 70°-23°(APS-C) |
開放絞り(F値) | 4 |
最小絞り(F値) | 22 |
絞り羽根 | 9枚 |
円形絞り | 〇 |
最短撮影距離 | 0.3(W)-0.25(T)(AF時) 0.25m(MF時) |
最大撮影倍率 | 0.39 |
フィルター径 | 72mm |
手ブレ補正 | -(ボディ側対応) |
テレコンバーター (1.4x) | 非対応 |
テレコンバーター (2.0x) | 非対応 |
フードタイプ | 花形バヨネット式 |
外形寸法 最大径x長さ | 78.7mm x 99mm |
質量 | 488g |
付属品 | •フード ALC-SH174 • レンズフロントキャップ ALC-F72S • レンズリヤキャップ ALC-R1EM •ソフトケース |
※SONY 公式HP参照


SONY FE 20-70mm F4 G はこんな人におすすめ
- 標準ズームレンズで広角側が24mmや28mmよりもう少し広い画角が欲しい人
- 描画性能が高い標準ズームレンズが欲しい人
- SONYのミラーレス一眼カメラで手振れ補正が効くレンズが欲しい人
- 写真も動画もやる人
- 15万円程度をレンズに投資できる人


まとめ
『FE 20-70mm F4 G』 のレビューをまとめると以下です。
- 動画・写真撮影において万能な標準ズームレンズ
- くっきり解像度の高い画質
- 軽量・コンパクト
- 手振れ補正の効きはかなり良い
- フォーカスブリージングはない
- コストパフォーマンスに難あり
ミラーレス一眼カメラで動画撮影を始めて、SONYのカメラは純正レンズの方が手振れ補正の効きが良いことが分かり、新たなレンズを購入したわけです。
20mm~70mmという、24mmよりも広角側が広い標準ズームレンズは、今までにない「新しい標準ズームレンズに位置づけられる」のではないでしょうか。
私の旅動画・写真撮影が、ほぼこの1本のレンズでまかなえてしまいます。
今までメインで使用してきた『TAMRON 17-50mm F/4 Di III VXD』より、望遠側が70mmまであるのも便利だと思いました。
少し価格は高いですが、中古だと15万円弱で手に入ります。
いやぁ~、レンズって高いですね…。
これからもまだまだ写真・動画の撮影技術を向上させていきたいと思います。
これからも「カメラ」カテゴリーでは、私の【カメラ成長記】としてブログを随時更新していきます。
それでは、楽しいオーディオ・ビジュアルライフを!!
















※この記事の内容はあくまで個人の見解で、間違っていたり、最新でない可能性があります。できるだけ公式サイトのリンクを貼っておきますので、正しい情報は公式サイトをご確認ください。
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