AV情報家電 家電製品アドバイザー(エグゼクティブ等級)でオーディオ歴40年以上のyacchiです。
今回は、クイーンの最高傑作でロック史上でも偉大な成果を上げたアルバムを紹介します。
クイーンの『オペラ座の夜』というアルバムです。
クイーンについて
2018年公開の映画『ボヘミアン・ラプソディ』を覚えている方も多いかと思います。
この映画の主人公が、イギリスを代表するロックバンド クイーンです。
世界中で2億5000万枚から3億枚の音楽作品を売り上げたとされ、最も売れたアーティストの1組となりました。
ウォール・ストリート・ジャーナルの「史上最も人気のある100のロックバンド」にて第3位に選出されています。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」にて第52位に選出されています。
2001年には、マイケル・ジャクソン、エアロスミスらと共にロックの殿堂入りを果たしています。
まさに歴史に名を残す偉大なバンドです。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』
映画『ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody)は、ブライアン・シンガー監督の2018年の映画です。
イギリスのロックバンド クイーンのリードボーカルでクイーンの音楽面での牽引役だったフレディ・マーキュリーの半生に焦点を当てた音楽映画です。
1970年のクイーン結成から1985年のライヴエイド出演までを描いています。
随所にクイーンの楽曲が生まれる瞬間のエピソードが描かれており、ファンの私としてはとても興味深く観ていました。
ロック好きな人にもロックの歴史を垣間見れる映画だったのではないかと思います。
映画のタイトルになっている『ボヘミアン・ラプソディ』は、クイーンの4枚目の最高傑作アルバム『オペラ座の夜』に収録されているスーパーヒット曲です。
クイーンはたくさんのヒット曲を生み出していますが、その中でもどれが一番かと言われたら、この「ボヘミアン・ラプソディ」だと思います。
まさにクイーンを象徴する、色々なジャンルを織り交ぜた独特の世界観を作り上げ、ゆっくりとしたコーラスの入りから華麗で優雅なピアノとともにフレディのボーカルが入り、徐々に他楽器も入っていきます。
そしてブライアン・メイの壮大なギターソロの後に、劇的なオペラコーラスを展開、そして激しいロック調になり、最後はまた冒頭のようなフレディの静かなボーカルの後の締めに銅鑼(ドラ)で終わる壮大な「ボヘミアン・ラプソディ」という曲は、唯一無二の曲だと思います。
クイーン 『オペラ座の夜』
『オペラ座の夜』は、クイーンの4枚目のアルバムです。
クイーンの代表的で最高傑作アルバムです。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の中で、田舎のスタジオでアルバム制作する場面があったかと思います。
それがまさにこの『オペラ座の夜』の制作だったのです。
実際は、ロンドンの西、ウェールズのモンマスシャー、ロックフィールド村のはずれにある録音スタジオです。
都会の喧騒から離れた田園地帯にある農家が改修されて録音スタジオになっており、世界初の宿泊施設完備のスタジオでした。
クイーンの面々が、このスタジオにやって来たのは、1975年8月のことです。
「ボヘミアン・ラプソディー」の録音に関しては相当な時間を要したようです。
壮大なオペラ箇所のコーラスは、フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーの3人で何度も歌声を多重録音で重ねていって、180~200人の合唱に相当する効果を生み出しています。
3人で最低でも60回は重ね録音をしたということです。
何とも気の遠くなる作業です。
だからこそ、完成した際はやりきった感があり、思い入れのある作品になったのではないかと想像します。
このオペラ部分はスタジオで多重録音したから成せる技で、当然ライブでは実現することができません。
実際のライブでは、オペラ部分はテープを流して、それ以外を演奏していました。
こうして出来上がった「ボヘミアン・ラプソディー」という曲の演奏時間は、実に約6分にも及びました。
クイーンのメンバーはこの苦労して作り上げた最高傑作の「ボヘミアン・ラプソディー」をシングルとして発表しようとします。
しかし、当時はラジオでの宣伝がメインだったため、通常3分程度のシングル曲に対して長すぎるという理由でレコード会社は、別の曲をシングルにすべき、と主張しました。
結局、この曲を高く評価したDJが週末にヘビー・ローテーションで流し続けた結果、英国の聴衆の心をつかんでいきます。
1975年10月31日に発表し、その直後から英国チャートを駆け上がって、全英シングルチャートで9週連続で第1位を獲得し、1976年1月末までに100万枚以上の売上を記録しました。
1991年のフレディ・マーキュリーの死後に再発売され、5週連続で1位を獲得し、イギリスで3番目に売上枚数が多いシングルとなりました。
同時に同一のアーティスト、同一の楽曲が2度全英シングルチャートで第1位を獲得した唯一の例ともなっています。
この完成した『オペラ座の夜』のアルバムには、全12曲が収録されています。
曲名 | |
---|---|
1 | デス・オン・トゥー・レッグス |
2 | うつろな日曜日 |
3 | アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー |
4 | マイ・ベスト・フレンド |
5 | ’39 |
6 | スウィート・レディ |
7 | シーサイド・ランデヴー |
8 | 預言者の唄 |
9 | ラヴ・オブ・マイ・ライフ |
10 | グッド・カンパニー |
11 | ボヘミアン・ラプソディ |
12 | ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン |
このアルバムは最初から最後まで、是非通して聴いてもらいたいです。
1曲目の「デス・オン・トゥー・レッグス」は、ピアノから不気味なギターが入り、一瞬途切れて、フレディの激しいボーカルが炸裂し、ブライアン・メイの歪感のあるギターも展開し、何とも新しい展開の曲です。
すぐに2曲目の「うつろな日曜日」に展開します。何とも懐かしい雰囲気の曲です。
そこからすぐにロック調のロジャー・テイラーのハスキーなボーカルで「アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー」が続きます。何とも少しやんちゃっぽいロジャー提供の楽曲っぽいです。
4曲目の「マイ・ベスト・フレンド」は、ベースのジョン・ディーコンの楽曲ですが、ポップで良い曲です。
5曲目の「’39」はフォークギター中心でどこかカントリー調でコーラスも素晴らしいです。
6曲目の「スウィート・レディ」は、ハードなロック調で、7曲目の「シーサイド・ランデヴー」は、フレディの柔らかいボーカルが素晴らしいです。そこにコーラスを多重録音でチャンネルセパレートで乗せています。
8曲目の「預言者の唄」は、これもかなりの大作で、8分20秒にも至ります。途中からのギターでの劇的な展開からフレディのボーカルが炸裂。ボーカルを少しずつずらして再生することにより、見事にハーモニーコーラスを作り上げています。このあたりの作りは秀逸です。ライブでもうまく録音ディレイを駆使して再現しています。
9曲目の「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」は、見事な美しいバラードで、フレディの裏声を活かした素晴らしいボーカルに圧倒されます。壮大なコーラスも素晴らしいです。
10曲目の「グッド・カンパニー」は、ウクレレ調で何とも平和な世界観です。
そしてかの「ボヘミアン・ラプソディー」へと展開していきます。
そして英国国家の「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」へとつながります。これはギターのブライアン・メイが、ギターの多重録音でオーケストラ的な音を作り出しています。
全編を通して、どこかの「オペラ座の夜」というアミューズメントパークに迷い込んで、その中で壮大な映像系のアトラクションを観終わったような感覚になります。
アルバムを通して一つの作品として秀逸で、アルバム全体の世界観が本当に素晴らしいです!
まさにロック史上に残る「名盤」です!!
『オペラ座の夜』の音質は?
このアルバムの録音音質はとても良いと思います。
色々な楽器やボーカルの多重録音が至る所に使われています。
また、左右のステレオセパレーションの使い方も凄く良いです。
はっきりと左右の音の使い分けをしています。
全曲とも苦労して制作しただけあって、録音音質はかなり良いと思います。
まとめ:クイーン『オペラ座の夜』はまさにロック界を代表する名盤です!!
この『オペラ座の夜』というタイトルは、アメリカのコメディ俳優マルクス兄弟の映画のタイトル「オペラ座の夜」から採られたものです。
全編を通して壮大なドラマのようなクイーンの『オペラ座の夜』は、映画でも描かれていたように田舎のスタジオで、メンバー間で意見の対立などあって苦労して作り上げたロック界の名盤です。
是非とも、このアルバムを最初から最後まで通して聴いてみてください。
これこそ、まさに名盤だぁ!と唸るアルバムです!!
それでは楽しいオーディオ・ビジュアルライフを!!
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