AV情報家電 家電製品アドバイザー(エグゼクティブ等級)のyacchiです。
オーディオ歴は40年以上、ホームシアター歴は15年以上です。
移動中に音楽を楽しんだり、オンライン会議でヘッドホン・イヤホンを装着している人は多いのではないでしょうか。
しかし近年、ヘッドホン・イヤホンで大きな音を長時間聴き続けることで起こる「ヘッドホン・イヤホン難聴」になる人が増えています。
この記事では、ヘッドホン・イヤホン難聴に関して説明し、その予防やどう音楽を楽しんでいけばよいかを解説していきます。
- ヘッドホン・イヤホン難聴とは
- ヘッドホン・イヤホン難聴の原因
- ヘッドホン・イヤホン難聴の予防について
- ヘッドホン・イヤホンでどう音楽を楽しんでいくか
- おすすめのヘッドホン・イヤホン
- 参考:WHO 世界聴覚報告書
ヘッドホン・イヤホン難聴とは
ヘッドホン・イヤホン難聴とは、ヘッドホンやイヤホンで長時間大きな音で聴き続けることで、耳の中の「音を伝えるための細胞」が少しずつ壊れて、聴力が低下する病気です。
ヘッドホン・イヤホン難聴は俗称で、正式には「音響性聴器障害」や「騒音性難聴」といいます。
急に悪くなるのではなく、時間をかけてじわじわ耳の機能が衰えていくので、なかなか異変に気づかないんです。
しかも失った聴覚は元に戻りません。
WHO(世界保健機関)では、11億人もの世界の若者たち(12~35歳)が、携帯型音楽プレーヤーやスマートフォンなどによる音響性難聴のリスクにさらされているとして警鐘を鳴らしています。
- 社会福祉法人 恩賜財団 済生会、厚生労働省、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 参照
ヘッドホン・イヤホン難聴の原因
音は外耳から内耳まで空気の振動として伝わります。
その振動は内耳の蝸牛(かぎゅう)内にある「有毛細胞」によって電気信号に変換され、脳に伝わって音として認識されます。
自動車の騒音程度である85db以上の音を聴く場合、音の大きさと聴いている時間に比例して有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。
有毛細胞が壊れると、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。
WHOでは、80dBで1週間当たり40時間以上、98dBで1週間当たり75分以上聞き続けると、難聴の危険があるとしています。※
なお、100dB以上の大音響では急に難聴が生じることもあります。
耳にぴったりはまるヘッドホンやイヤホンから出る音は、外に逃げることなく内耳に向かうため、大きな音で長時間使用すると、難聴のリスクとなります。
このヘッドホン・イヤホン難聴は、自覚症状があまりなく、気づきにくいのが怖いところです。
- WHO Safe Listening Devices and Systems 2019.
参考:難聴は認知症のリスク要因に!
近年、難聴のために音の刺激や脳に伝えられる情報量が少ない状態にさらされると、脳の萎縮や神経細胞の弱まりが進み、認知症の発症に大きく影響することが明らかになってきています。
最近の海外での研究成果※からは、中年期に難聴があると高齢期に認知症のリスクがおよそ2倍上昇するというデータが発表されています。
- Livingston G, et al. Lancet. 2017
ヘッドホン・イヤホン難聴の予防法
WHOではヘッドホン・イヤホン難聴の予防法として、ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴くとき、次のような注意点を挙げています。※
- 音量を下げたり、連続して聴かずに休憩を挟む
- 使用を1日1時間未満に制限する
- 周囲の騒音を低減する「ノイズキャンセリング機能」のついたヘッドホン・イヤホンを選ぶ
- WHO Tips for safe listening-Make Listening Safe 2015.
ヘッドホン・イヤホンでどう音楽を楽しんでいくか
上記の予防法にあるように、音量をほどほど(全体の60%以下)にして、1日1時間未満で音楽を聴いていきましょう。
もし、音が聴き取りにくくて音量を上げてしまうようであれば、早めに病院に行きましょう。
あとは連続して長時間聴くんではなく、適度に休憩を挟んで聴きましょう。
1時間連続して音楽を聴いたら、10分の休憩を取りましょう。
ヘッドホン・イヤホンですが、WHOからもノイズキャンセリング機能付きのものが推奨されています。
周囲の騒音より大きい音量で音を聴くと、聴こえていると感じる音は適度でも、耳への負担は増えていくそうです。
まぁ、今時のヘッドホン・イヤホンはノイズキャンセリング機能は大体付いてますよね。
ノイズキャンセリング機能があるものとないもので迷っているのであれば、ノイズキャンセリング機能があるものを選んで音楽を聴きましょう。
ノイズキャンセリングが割と強めの おすすめ ヘッドホン・イヤホン
ノイズキャンセリングの効きが割と強めなおすすめヘッドホン・イヤホンを紹介します。
ソニー WF-1000XM5
完全ワイヤレスイヤホンとしては、もはや定番感のあるイヤホンです。
ノイズキャンセリングの効きは割と強いと思います。
音質も良く、機能性も豊富なので万能なイヤホンが欲しい人におすすめです。
JBL TOUR PRO2
JBLのフラッグシップの完全ワイヤレスイヤホンです。
ノイズキャンセリングの効きも強く、音質も良いです。
私個人的には、ソニー WF-1000XM5 よりも音の傾向は好きですね。
とにかくダイナミックな音で楽しく弾んで音楽を聴けるので、おすすめです。
Technics EAH-AZ80
ノイズキャンセリングの効きも強く、解像度が高く、明瞭度の高い音質です。
明るい音色で音楽を聴けるので、私は好きな音質傾向ですね。
間違いなくおすすめできます。
Bose QuietComfort Ultra EarBuds
ノイズキャンセリングの効きの強さ、といったらBoseですよね。
こいつのノイキャンは強力です。
あと、重低音の迫力が凄いので、低音好きな人には超おすすめです!
ソニー WH-1000XM5
上記、イヤホンでおすすめした ソニー WF-1000XM5 のヘッドホン版です。
こちらもヘッドホンの定番として高い人気があります。
ゼンハイザー(SENNHEISER) MOMENTUM 4 Wireless
外側に4つのアクティブノイズキャンセリング専用マイクを内蔵し、ノイズキャンセリング性能に優れたヘッドホンです。
周囲の雑音レベルに合わせてノイズキャンセリング強度を自動調節する「アダプティブノイズキャンセリング」を搭載しています。
ボーズ(Bose) QuietComfort Ultra Headphones
ノイズキャンセリングの効きの強さ、といったらBose。
そのBoseのヘッドホンです。
空間オーディオ技術「Boseイマーシブオーディオ」を搭載しています。
JBL Tune 770NC
騒音集音用マイクをハウジング本体外側に配置するフィードフォワード方式と鼓膜に近いドライバーユニット側に配置するフィードバック方式の両方式を採用したハイブリッド式ノイズキャンセリング機能を採用しています。
音質はJBLらしいパワフルでダイナミックで迫力のある楽しい音です。
まとめ
- ヘッドホン・イヤホン難聴とは
ヘッドホンやイヤホンで長時間大きな音で聴き続けることで、耳の中の「音を伝えるための細胞」が少しずつ壊れて、聴力が低下する病気
- ヘッドホン・イヤホン難聴の原因
大きな音を長時間聴く
- ヘッドホン・イヤホン難聴の予防について
・音量を下げたり、連続して聴かずに休憩を挟む
・使用を1日1時間未満に制限する
・周囲の騒音を低減する「ノイズキャンセリング機能」のついたヘッドホン・イヤホンを選ぶ
- ヘッドホン・イヤホンでどう音楽を楽しんでいくか
ヘッドホン・イヤホン難聴の予防法に沿った楽しみ方をする
- おすすめのヘッドホン・イヤホン
最近はスピーカーで音楽を聴くというよりも、ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴く人が増えているように感じます。
またオンライン会議などもヘッドホン・イヤホンで参加することもあるでしょう。
WHOも特に12~35歳の比較的若い年代の人にヘッドホン・イヤホン難聴の警鐘を鳴らしています。
この記事で紹介した予防法に沿って、ノイズキャンセリング機能の付いたヘッドホン・イヤホンで音楽を楽しんでいきましょう。
また、スピーカーでの音楽鑑賞も強くおすすめします。
スピーカーでも大音量で聴いたらダメなんですが、適度な音量で聴く分にはヘッドホン・イヤホンよりも耳には優しいでしょうね。
また、ちゃんとセッティングしたスピーカーから聴く音楽は、目の前にその演奏空間が広がって、なんとも言えない臨場感を味わうことができます。
是非、若い人達にもスピーカーで音楽を楽しんでもらいたいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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