AV情報家電 家電製品アドバイザー(エグゼクティブ等級)でオーディオ歴40年以上のyacchiです。
最近、スマホで音楽を手軽にもっと高音質で聴きたいという方がスティック型DACを使用されるパターンが増えているように感じます。
私はSONY NW-WM1AM2というDAPを持っていますが、ちょっと音楽を聴いたりYouTubeを観るのにわざわざDAPを持ち出すのは面倒に感じることもあります。
そしてSONY NW-WM1AM2は、サブスクでメインで聴いているAmazonMusicの動作がややもっさりしているんです。
それに重量もそれなりにありますし…。
なのでスマホを手軽に高音質化したいと思い、前回 iBasso Audio DC04PRO を購入レビューしました。
今回は同じくスティック型DACの Astell&Kern AK HC2 をレビューします。
私にとっては初Astell&Kernです。
実際に自分で購入して使用したレビューなので是非参考にしてみてください。
●iBasso Audio DC04PRO のレビューは、以下をご参照ください。
→iBasso Audio DC04PRO レビュー。 こんな小型DACでスマホが手軽に高音質DAPになる!!
●SONY NW-WM1AM2 のレビューは、以下をご参照ください。
→【2024年1月】 メイン昇格DAP SONY NW-WM1AM2 レビュー 開封、ファーストインプレッション。これは凄いです!
Astell&Kern AK HC2 レビュー 結論
Astell&Kern AK HC2 は、大幅な価格改定があり一時期9,900円でeイヤホンやフジヤエービックで販売されていました。
元々の価格でもコストパフォーマンス高いという感じだったので、9,900円なら劇的なコストパフォーマンスの高さで、在庫のあるうちに買ったもの勝ちだと思います!
私はたまたまその価格で買えました。
Astell&Kern AK HC2 レビューの結論は以下です。
- コストパフォーマンスがかなり高い
- 音質がかなり良い
- 出力レベルが高くイヤホン・ヘッドホンを選ばない
- デザインが質感高く、洗練されている
音質は、それなりのDAPに張り合えるのではないかと思います。
この後、この結論に至った理由を詳細に説明していきます。
Astell&Kern AK HC2 の残念なところ
レビューの結論に至った理由説明の前に、まず Astell&Kern AK HC2 の残念なところがなかったのかを見ていきます。
残念なところは以下です。
- iOS対応のアプリがない
- ケーブル交換式ではない
Astell&Kern AK HC2 は、本体にボリュームボタンがなく、アプリで細かくコントロールできるようになっています。
ボリュームコントロール用スマートフォンアプリ「AK HC」はAndroid専用アプリです。
グローバルで見ると、圧倒的にAndroidの方がシェアが高いので仕方ないことかもしれません。
日本が異常にiOSのシェアが高すぎるだけです。
また、ケーブル交換式ではないのはケーブルの断線時等に対応できないというデメリットがある反面、より接点を少なくすることでノイズ対策をしているというメリットもあるので、デメリットかどうかは微妙なところです。
他に残念なところは特にないと感じました。
Astell&Kern AK HC2 レビュー 結論に至った理由①:コストパフォーマンス
先にも記載しましたが、元々税込 29,980 円でした。
現状では大幅な価格改定がされ、アユート様の直販サイトでは11,000円に10%引きクーポンが付いてきます。
ただし、2024年2月27日時点では品切れ中になっています。
私はたまたまフジヤエービックで9,900円で購入できました。
しばらく入荷待ちでしたが、2週間くらいで届きました。
元々の 29,980 円でもその音質からしてコストパフォーマンスが高いのですが、更に9,900円となると”かなりの”高コストパフォーマンスだと思います。
Astell&Kern AK HC2 レビュー 結論に至った理由②:音質
Astell&Kern AK HC2 は、価格もお手頃になったのですがその音質もかなり良いと感じます。
割と高級なDAPと張り合えるところまできているように感じます。
私のもう一つのDAP FiiO M11S(約7万円)、iBasso Audio DC04PRO(約1万6千円)とも比較してみます。
音質(FiiO M11S 4.4mmバランス接続)
- 高音
高音はハッキリ聴こえており、刺さり感はありません。
ドラムのハイハットはしっかりとリズムを刻んでいます。
ハイハットのハーフオープンの感じもしっかりと聴き取れます。
高音の解像度は高いと思います。
- 中音
ボーカルはクリアーに聴こえます。
ボーカルが中央にしっかり定位しており、ちゃんと前面に浮き上がって聴こえます。
コーラスとの分離感も良いです。
- 低音
低音は適度な量感もあり、引き締まっています。
ベースラインはしっかり感じ取れます。
適度に弾力もあって低音の質は良いと思います。
- 音場
音場は割と広い感じです。
横、上下、奥行き感も感じられます。
- 全体
解像度が高く、美音系のサウンドです。
適度な弾力感があり、ダイナミックな音です。
イヤホンドライブの余裕が感じられます。
あらためてFiiO M11Sの実力が高いことが確認できました。
しかしながらSONY NW-WM1AM2の方が圧倒的に音場が広く、空間再現能力が高いです。
音質(iBasso Audio DC04PRO 4.4mmバランス接続)
- 高音
高音はクリアーに鳴っています。
解像度は高いです。
- 中音
ボーカルの表現は良いです。
ボーカルの定位は良く、ボーカルの息遣いも伝わってきます。
- 低音
低音の質はわずかにFiiO M11Sに劣ります。
もう少しだけ低音の量感と締まり感が欲しいところです。
- 音場
FiiO M11Sより音場は少し狭くなりました。
- 全体
音の純度が高くなっています。
全体に柔らかくダイナミックな音で、かなりFiiO M11Sの音質に迫っています。
音質(Astell&Kern AK HC2 4.4mmバランス接続)
- 高音
高音のクリアーさ、透明感はかなり高いです。
解像度も高いです。
- 中音
ボーカルの表現も良いです。
ボーカルの定位は良く、ちゃんと前面に浮き上がって聴こえます。
- 低音
低音の質がより高くなりました。
ベースラインはしっかり感じ取れ、結構深いところまで鳴っています。
- 音場
音場は広い方です。
- 全体
高解像度で透明感の高いシャープな音です。
iBasso Audio DC04PROのウォームな傾向と比べるとクール傾向の音です。
音のクリアさは Astell&Kern AK HC2 の方が上です。
音場の作り方はiBasso Audio DC04PROの方がよく出来ていると思います。
音質という面でいうと相当FiiO M11Sの音質に近いです。
音のクリアさは Astell&Kern AK HC2 の方が上回りますが、音場はFiiO M11Sの方が良いです。
音質という表現でいうとかなり高価なDAPに近い音質だと思います。
- 音源:Amazon Music Unlimited ULTRA HD(24-bit/48KHz)、HD(16-bit/44.1KHz)
- 再生ジャンル:ポップス
- 接続機器:
4.4mmイヤホン:Maestraudio MA910SB
イヤーピース:COREIR-コレイル- BRASS
スマホ:Pixel 8 Pro
DAP:FiiO M11S
Astell&Kern AK HC2 レビュー 結論に至った理由③:出力レベルの高さ
Astell&Kern AK HC2 の出力レベルは、4VrmsとiBasso Audio DC04PROの2倍の出力レベルがあります。
iBasso Audio DC04PRO接続時よりも半分以下のボリュームで同じ音量が鳴らせます。
低感度のイヤホンやヘッドホンも鳴らせる余裕があると思います。
Astell&Kern AK HC2 レビュー 結論に至った理由④:デザイン
Astell&Kern AK HC2 は、iBasso Audio DC04PROに比べるとデザインがシンプルで洗練されており、お洒落で格好良いと思います。
また、少しズッシリ感があるのも高級感につながっています。
Astell&Kern AK HC2 外観・付属品
パッケージ
Astell&Kern AK HC2 のパッケージはこんな感じです。
ケースの蓋を開けると、しっかりと振動対策されたクッションの中に本体が入っていました。
外観
カラーはダークシルバーです。
限定色でミッドナイトブルーがあり、音楽ユニットfripSideコラボのウルトラオレンジメタリックと声優アーティスト大橋彩香コラボのビビットピンクがあります。
私はダークシルバーを購入しました。
シャープで洗練されたデザインの外観です。
AK HC2のデザインコンセプトは、”Slope “とのことで、六角柱形状のアルミボディに、裏面の斜めに走るスロープがデザインのポイントになっています。
底面に4.4mmジャックがあります。
iBasso Audio DC04PROと比べるとこんな感じです。
付属品
- USB Type-C to Lightning変換アダプター
- マニュアル
- 製品保証書
Astell&Kern AK HC2 の主な特徴
CS43198デュアルDACによる超高解像度サウンド
Cirrus Logic社製Master HIFI™ DAC、CS43198を左右独立して1基ずつ、合計2基使用するデュアルDAC構成を採用しており、高いS/N比と低歪を実現しています。
最大PCM384KHz/32bit、DSD256のネイティブ再生に対応しています。
超精密音響設計技術の結晶
DAPで培った技術・ノウハウをコンパクトボディに凝縮しています。
接続機器を考慮しバスパワーによる消費電流を最小限に抑えながらも、4Vrmsの高出力化と高S/N、低歪み化を同時に実現しています。
これによって、ハイインピーダンスヘッドホンでもドライブすることが可能になっています。
4.4mm5極バランス出力対応
4.4mm5極バランス出力に特化し、バランス出力の高出力、高音質化を実現しています。
簡単かつ便利なプラグ&プレイ
プラグ&プレイに対応したUSB Type-Cポートを持つWindows PC、Mac、スマートフォン、タブレットに直接接続するだけでバスパワーで使用可能です。
USB Type-C to Lightning変換アダプターが付属し、Lightning端子のiOSデバイスにも対応します。
高耐久性デュアルノイズシールドケーブル
ケーブル直結モデルとし、ケーブルまで含めた総合的なサウンドチューニングを可能にすると共に、より接点を少なくすることでノイズ対策と音質面、使いやすさを両立しています。
デュアルノイズシールドケーブルを採用し、ノイズを最小限に抑えています。
専用アプリ「AK HC」
AK HC2の音量をより細かく調整できるようにするために、Android OS向けのボリュームコントロール用スマートフォンアプリ「AK HC」(Android)を導入しています。
単純にボリュームコントロールをするアプリで、ゲインの切り替えはできません。
アユート様のHPより
Astell&Kern AK HC2 には、声優のAyaka Ohashi Editionモデルもあります。
Astell&Kern AK HC2 の主な仕様
製品名 | Astell&Kern AK HC2 |
本体素材 | アルミニウム |
サイズ (W×H×D) | USBプラグ部:12mm × 21mm × 6.5mm ヘッドホン出力部:22.8mm × 60mm × 12.1mm |
重量 | 29g |
DAC チップ | Cirrus Logic CS43198×2 (Dual-DAC) |
入力端子 | USB Type-C / Lightning(付属変換コネクター使用) |
出力端子 | 4.4mm5極バランス出力 (GND接続あり) |
PCM対応 | 最大 : 384KHz/32bit |
DSD対応 | 最大 : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオ |
出力レベル | バランス 4Vrms (無負荷) |
THD+N | 0.0004% @ 1kHz, バランス |
IMD | 0.0003% 800Hz 10kHz (4:1) バランス |
S/N比 | 122dB @ 1kHz, バランス |
周波数特性 | 20Hz~40kHz ±0.5dB |
出力インピーダンス | バランス 4.4mm (1.5Ω) |
クロストーク | -146dB @ 1kHz, バランス |
Astell&Kern AK HC2 レビュー まとめ
Astell&Kern AK HC2 レビューをまとめると以下です。
- コストパフォーマンスがかなり高い
- 音質がかなり良い
- 出力レベルが高くイヤホン・ヘッドホンを選ばない
- デザインが質感高く、洗練されている
Astell&Kern AK HC2 は、価格改定により手に届きやすい価格になっており、元々は3万円弱の価格と考えると非常にコストパフォーマンスが高いと思います。
音質という表現でいうと音の解像度の高さ、クリアーさは高級DAPに匹敵するものがあると思います。
もう少し音場の表現が良ければなぁ、とは思います。
Astell&Kern AK HC2 はこんな人におすすめ
- Astell & Kernが気になっていた人
- 高コスパのスティック型DACを探していた人
- 低感度なイヤホン・ヘッドホンも鳴らしたい人
Astell&Kern AK HC2 は、大幅な価格改定により、かなり手を出しやすくなったスティック型DACです。
しかしながら、2024年2月27日時点ではアユート直販サイトでは在庫なし。
eイヤホン、フジヤエービックでも在庫がない状況です。
今度いつ入荷するか分かりませんが、在庫が復活すればかなりお買い得だと思います。
それでもAmazonでは、17,200円でダークシルバーが購入可能です。
この価格でもそれ以上の音質を実感でき、コストパフォーマンス充分だと思います。
Astell&Kern は、高級DAPで有名なメーカーなので、そのエッセンスをエントリー価格帯のDACにも投入しています。
スマホで気軽に高音質で音楽等を聴きたい人には Astell&Kern AK HC2 は、音質に対する価格のコストパフォーマンスは非常に高く、見た目も洗練されており、手軽にスマホを高音質化したい人におすすめできるスティック型DACだと思います。
それでは、楽しいオーディオ・ビジュアルライフを!!
※この記事の内容はあくまで個人の見解で、間違っていたり、最新でない可能性があります。できるだけ公式サイトのリンクを貼っておきますので、正しい情報は公式サイトをご確認ください。
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