AV情報家電 家電製品アドバイザー(エグゼクティブ等級)のyacchiです。
オーディオ歴は40年以上、ホームシアター歴は15年以上です。
最近、スマホで音楽を手軽にもっと高音質で聴きたいという方がスティック型DACを使用されるパターンが増えているように感じます。
私はSONY NW-WM1AM2というDAPを持っていますが、ちょっと音楽を聴いたりYouTubeを観るのにわざわざDAPを持ち出すのは面倒に感じることもあります。
そしてSONY NW-WM1AM2は、サブスクでメインで聴いているAmazonMusicの動作がややもっさりしているんです。
それに重量もそれなりにありますし…。
なのでスマホを手軽に高音質化したいと思い、今回 iBasso Audio DC04PRO を購入してみましたので、実際に使ってみてのレビューをお届けします。
実際に自分で購入して使用したレビューなので是非参考にしてみてください。
●Astell&Kern AK HC2 レビュー のレビューは、以下をご参照ください。
●SONY NW-WM1AM2 のレビューは、以下をご参照ください。
iBasso Audio DC04PRO レビュー 結論
iBasso Audio DC04PRO は、スマホに接続して手軽に高音質化できるとの謳い文句通り、使用してみて実際にスマホでの音楽再生が高音質になったのでおすすめできます!
iBasso Audio DC04PRO レビュー の結論は以下です。
- 価格が安い
- 機能が割と豊富である
- 音質が良い
- ケーブル交換が可能
- iOSの対応専用アプリがない
音質は、5~6万円くらいのDAPに張り合えるのではないかと思います。
レビュー結論に至った理由を詳細に説明していきます。
結論に至った理由①:価格
私は、2024年2月にAmazonで15,840円で購入しました。
2024年2月14日時点のAmazonでの価格は15,840円です。
※Amazonの価格は日々変動することがあります
スティック型DACは、それこそピンキリで相当高価なものもありますが、iBasso Audio DC04PRO は、1万円台半ばと割とエントリークラスの価格です。
後で詳細に述べますが音質も良く、この価格でこの音質ならコストパフォーマンスは高く、おすすめできます。
結論に至った理由②:機能
おすすめできる主な機能は以下です。
- 本体にボリュームボタンがある
- CIRRUS LOGIC社のDACチップ「CS43131」をデュアル構成で搭載
- 専用アプリ「iBasso UAC」で、本機だけではアクセスできないハードウェアオプションにアクセスしカスタマイズすることが可能
順番に見ていきます。
- 本体のボリュームボタン
スマホ本体のボリュームボタンだと1段階での調整幅が大きすぎる場合があります。
その際に本体にボリュームボタンがあると、より細かく音量を調整することが可能です。
- CIRRUS LOGIC社のDACチップ「CS43131」
同社でも上位グレードに当たる「MasterHIFI」ラインの1つで、ヘッドフォンアンプ内蔵です。
FiiOのKA2やKA13にも同じDACチップが搭載されています。
- 専用アプリ「iBasso UAC」でのカスタマイズ
「デジタルフィルター」「Gain設定」「出力モード」「LRバランス」「ECOモード」のカスタマイズが可能です。
うっかり本体で変更できないようになっているのも良い所だと感じます。
「デジタルフィルター」の設定による音質変化はほんの僅かです。
Short Delay Fast Roll が、最も低音の量感と質が良いように感じました。
「出力モード」をTurboにすると、音の押し出しが明らかに強くなります。
デジタルフィルターは、以下の5つの設定があります。
結論に至った理由③:音質
iBasso Audio DC04PRO は、価格もお手頃ですがその音質も結構良いと感じます。
1万円台半ばの価格で、5~7万円クラスのDAPと張り合えるところまできているように感じます。
スマホ直刺しと、私のもう一つのDAP FiiO M11S(約7万円)とも比較してみます。
音質(スマホ直刺し簡易DAC 3.5mmアンバランス接続)
- 高音
かなり高音はクリアーに鳴っています。
少し耳に刺さり気味です。
かなり高音は強調されています。
- 中音
ボーカルはセンターに定位しており、特段前面に出ている感じはありません。
- 低音
結構柔らかい低音です。
少し低音の押し出しは弱い感じがします。
- 音場
割と狭めです。
奥行感はあまり感じられません。
- 全体
結構中高音寄りの音です。
これはこれでそこまで悪くない音質だと思います。
スマホ:Pixel 8 Proには3.5mmジャックはないので、USB-C To 3.5mmジャックの変換ケーブルを使用しました。
UGREENの以下製品です。一応簡易なDAC搭載のようです。
音質(FiiO M11S 3.5mmアンバランス接続)
- 高音
かなり高音の刺さりは抑えられ純度の高い高音になりました。
ドラムのハイハットはしっかりとリズムを刻んでいます。
ハイハットのハーフオープンの感じもしっかりと聴き取れます。
高音の解像度は高いと思います。
- 中音
ボーカルはスマホ直刺しよりクリアーに聴こえます。
ボーカルが中央にしっかり定位しており、ちゃんと前面に浮き上がって聴こえます。
コーラスとの分離感も良いです。
- 低音
スマホ直刺しに比べると明らかに低音の量感は増えました。
ベースラインはしっかり感じ取れます。
適度に弾力もあって低音の質は良いと思います。
- 音場
スマホ直刺しに比べると音場は広がりました。
奥行感も感じられます。
- 全体
当然ですが、スマホ直刺しに比べるとかなり高音質化しました。
あらためてFiiO M11Sの実力が高いことが確認できました。
しかしながらSONY NW-WM1AM2の方が圧倒的に音場が広く、空間再現能力が高いです。
音質(iBasso Audio DC04PRO 3.5mmアンバランス接続)
- 高音
かなりFiiO M11Sに迫っています。
FiiO M11Sよりも高音はクリアーな感じがします。
解像度は結構高いです。
- 中音
ボーカルの表現も良いです。
ボーカルの定位は良く、ちゃんと前面に浮き上がって聴こえます。
- 低音
FiiO M11Sの方が低音の量感や質は高いです。
しかしながら、少し量感は足りない感じですが、ベースラインはしっかり感じ取ることができます。
- 音場
スマホ直刺しよりは遥かに音場は広いです。
FiiO M11Sに肉薄しています。
FiiO M11Sよりも僅かに奥行感が乏しい感じです。
- 全体
FiiO M11Sにかなり肉薄しています。
高音はFiiO M11Sよりもクリアーで純度が高いです。
低音の質はさすがにFiiO M11Sに軍配が上がります。
ですが、iBasso Audio DC04PRO の価格は1万円台半ばです。
それを考えると恐ろしく高音質化しています。
5万円前後のDAPとは渡り合える感じがします。
音質(iBasso Audio DC04PRO 4.4mmバランス接続)
- 高音
高音のクリアーさは更に増しました。
解像度は相変わらず結構高いです。
- 中音
ボーカルの表現も良いです。
ボーカルの定位は良く、ちゃんと前面に浮き上がって聴こえます。
- 低音
低音の質がより高くなりました。
ベースラインはしっかり感じ取れ、結構深いところまで鳴っています。
- 音場
3.5mm接続より音場は広がりました。
奥行感も出てきました。
- 全体
3.5mmアンバランス接続と比べると、より左右のセパレーションが良くなり、音の純度が高くなっています。
音場も広くなり、3.5mm接続のFiiO M11Sに結構近い鳴り方になりました。
- 音源:Amazon Music Unlimited ULTRA HD(24-bit/48KHz)、HD(16-bit/44.1KHz)
- 再生ジャンル:ポップス
- 接続機器:
3.5mmイヤホン:有線ピヤホン4
4.4mmイヤホン:Maestraudio MA910SB
スマホ:Pixel 8 Pro
DAP:FiiO M11S
●FiiO M11Sのレビューは、以下をご参照ください。
結論に至った理由④:ケーブル交換が可能
ケーブル交換が可能なため、接続ケーブルが断線してもケーブル交換で対応可能です。
その分使用年数を長くすることができると思います。
また、更に高音質ケーブルに変えたり、ケーブル長の調整も可能なのも良いところだと思います。
結論に至った理由⑤:iOS対応専用アプリがない
残念なところとしては、iOSスマホの方は対応専用アプリがないことでしょうか。
私はAndroidスマホなので問題ありませんが。
専用アプリケーション「iBasso UAC」は、AndroidOS専用アプリケーションです。
パッケージ・外観・付属品
パッケージ
iBasso Audio DC04PRO のパッケージはこんな感じです。
パッケージ外の右の袋の中に「USB-C To Lightning ケーブル」が付属していました。
パッケージも割と小振りでした。
外観
カラーはグレー、ブルー、ブラックの3色です。
ブラックは後から出た新色のようです。
私はグレーを購入しました。
シンプルな外観です。
表面は結構、手の跡がつきます。
本体にボリュームボタンがあります。
底面に4.4mmジャックと3.5mmジャックがあります。
上面にUSB-C端子があります。
ボリュームボタンの反対側には何もありません。
割と小型なので、持ちやすいですし、持ち運びも楽そうです。
シャープペンシルの芯入れよりも長さは短く、厚みは少しあります。
Astell&Kern AK HC2 と比べるとこんな感じです。
付属品
- Type-C to Type-C OTGケーブル
- Lightning to Type-C OTGケーブル
- Type-C to USB-A 変換アダプタ
- クイックスタートガイド
- 製品保証書
主な特徴
CIRRUS LOGIC社『MasterHIFI』オーディオDAC「CS43131」をデュアル搭載
DC04PROはCIRRUS LOGIC社の高い忠実性を誇る『MasterHIFI』ラインのDACチップ「CS43131」をデュアル構成で搭載し、優れたオーディオスペックと高品質なリスニング体験を実現しています。
ノイズの影響を受けやすいDACの電源部にはRF・アナログ回路用の低ノイズLDOレギュレータを採用することで、PSRR(Power Supply Rejection Ratio)は最大100dBとクリーンで高い水準での電源供給を可能としました。
クリーンな電源供給を実現することで、ノイズレスで繊細なサウンドを実現しました。
高度な電源技術
DC04PROは独立電源設計を採用し、スイッチングレギュレータ技術の一つである「同期整流」や「高速低ノイズLDO」「高能率DC/DC昇圧コンバータ技術」により、コンパクトな設計の中でiBassoの高水準な電源技術を踏襲し、オーディオプレーヤーに引けを取らないダイナミックでパワフルなサウンドを実現しました。
独立した4Wayフルバランスアンプ回路
DC04PROはRicore製アンプチップ「RT6863」をデュアル構成で採用し、4Wayフルバランスアンプ回路を構築することで極限まで歪みを抑制しています。
入念に設計されたアナログ回路と組み合わせることでDC04PROは、解像度に優れたクリアで暖かみのあるサウンドで、スマートフォンでの音楽体験をより向上させることができます。
自社開発USB-FPGAボード採用
幾年にも及ぶ、オーディオプレーヤーの研究・開発で培った技術を、DC04PROのFPGAアルゴリズムへ余すことなく踏襲しています。
FPGAのクロックソースには、クロック精度に定評のあるKDS(大真空)社製の「フェムトクロック水晶発振器」を採用し、クロック精度の向上と滲みを感じさせない原音に忠実なサウンドクオリティを実現しました。
マルチカラーLEDインジケーターを搭載
DC04PROはPCM最大384kHz / 32bit、ネイティブDSD256(DSD 11.2MHz)の音源へ対応し、マルチカラーLEDインジケーターを搭載しています。
このLEDは再生中の音源と連動しLEDインジケーターのカラーが変化するため、一目で製品のステータス状況を把握することが可能です。
- レッド:スタンバイ
- ブルー:DSD
- グリーン:PCM
MUSIN様のHPより
主な仕様
製品名 | iBasso Audio DC04PRO |
筐体 | アルミニウム |
サイズ | 59mm×23.4mm×12.1mm |
重量 | 21g |
DAC チップ | CS43131×2 |
入力端子 | USB Type-C 端子 |
出力端子 | 3.5mmシングルエンド 4.4mmバランス |
PCM対応 | 最高 384kHz/32bit までのネイティブ再生に対応 |
DSD対応 | 最高 11.2MHz までのネイティブ再生に対応 |
オーディオ特性 3.5mm シングルエンド出力 | |
---|---|
出力レベル | 2.0Vrms(32Ω負荷) 2.0Vrms (300Ω負荷) |
THD+N | 0.00018% (300Ω負荷) |
S/N比 | 127dBA |
ダイナミックレンジ | 126dBA |
周波数特性 | 20Hz~40kHz ±0.5dB |
出力インピーダンス | <0.2Ω |
オーディオ特性 4.4mm バランス出力 | |
出力レベル | 2.0Vrms(32Ω負荷) 2.0Vrms (300Ω負荷) |
THD+N | 0.00018% (300Ω負荷) |
S/N比 | 127dBA |
ダイナミックレンジ | 126dBA |
周波数特性 | 20Hz~40kHz ±0.5dB |
出力インピーダンス | <0.2Ω |
iBasso Audio DC04PRO レビュー まとめ
iBasso Audio DC04PRO のレビュー をまとめると以下です。
- スティック型DACの中でも1万円台半ばとお手頃な価格である
- 本体にボリュームボタンがあり、アプリ対応もあるなど機能が豊富である
- 5~7万円クラスのDAPと張り合える音質である
- ケーブルが交換可能である
- iOS対応の専用アプリがない
iBasso Audio DC04PRO は、スティック型DACの中でも手に取りやすい価格でありながら、その完成度は高くスマホを手軽に音質向上したい場合におすすめできます。
ケーブルも交換可能なので、ケーブル交換で更なる高音質化も狙えますし、使っているケーブルが断線しても取り替えが可能です。
iBassoからオーディオ用ケーブルも出ていますので、試すのもアリだと思います。
iBasso Audio DC04PRO はこんな人におすすめ
- 1万円台半ばで音質の良いスティック型DACが欲しい人
- スマホを手軽に音質向上したい人
- DAPまでは手が出せないけど、少しでも良い音で音楽等を楽しみたい人
iBasso Audio DC04PRO は、価格が手頃で手を出しやすいスティック型DACです。
iBasso Audioは、高級DAPも作っているメーカーなので、そのエッセンスをエントリー価格帯のDACにも投入しています。
何となくですが、私のようなガチ オーディオマニアではなく、スマホで気軽に高音質を楽しみたい層は一定数あるのでは?と想像しています。
そういう意味で iBasso Audio DC04PRO は、音質に対する価格のコストパフォーマンスは非常に高く、手軽にスマホを高音質化したい人におすすめできるスティック型DACだと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
少しでも私の記事が皆さんの楽しいオーディオ・ビジュアルライフの一助になれば幸いです。
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