AV情報家電 家電製品アドバイザー(エグゼクティブ等級)のyacchiです。
私はフルサイズ機の SONY α7C II とAPS-C機の Nikon Z fc を所有しています。
フルサイズ機とAPS-C機の両方を所有している私が、両機の比較とともに「フルサイズかAPS-C どっちが良い?」を検討していきます。
●SONY α7C II 関係の記事は、以下をご参照ください。
● Nikon Z fc 関係の記事は、以下をご参照ください。
フルサイズとAPS-Cの違い
カメラのセンサーサイズの違いは以下です。
一般的に言われているフルサイズ機とAPS-C機の違いは以下です。
- 画角の違い
- ボケ量の違い
- 階調の違い
- 暗所性能の違い
- カメラの大きさの違い
- 価格の違い
では、順番に見ていきます。
①画角の違い
「フルサイズ(約36.0mm×24.0mm)」は、「APS-C(約23.6mm×15.8mm)」に比べてイメージセンサーの面積が大きいため、より広い範囲が撮影可能です。
一方の「APS-C」は、「フルサイズ」に比べて撮影できる範囲が狭くなりますが、被写体を大きく写すことができる、という特徴があります。
よく「35mm換算で〜」という言葉を目にすると思います。
たとえば同じ50mmの焦点距離でもフルサイズ機とAPS-C機では画角が異なります。
APS-C機で50mmの単焦点レンズを装着した場合、35mm換算では焦点距離は1.5倍の75mmとなります。
広角 | 標準 | 望遠 | |
---|---|---|---|
マイクロフォーサーズ | 18mm以下 | 25mm | 35mm以上 |
APS-C | 24mm以下 | 35mm | 50mm以上 |
フルサイズ | 35mm以下 | 50mm | 70mm以上 |
②ボケ量の違い
同じ範囲を撮影する場合、フルサイズはAPS-Cに比べてボケ量が多くなります。
短焦点レンズを使ったポートレート撮影時などは、APS-Cではなくフルサイズをセレクトすることで、より綺麗な玉ボケなどを実現することが可能です。
しかし実際両方使ってみた感想としては、そんなに大きく違いはないと感じています。
むしろカメラに装着するレンズの開放F値や焦点距離による被写界深度の違いの方が大きいと思います。
それにあんまりボケを大きくすると、最近は初心者っぽく感じてしまっています。
私はまだ初心者なんですけどね…。
被写界深度とは
被写界深度は、ピントが合って見える範囲のことをいいます。
手前から遠くまで広い範囲でピントが合っている状態に見えることを被写界深度が深いといいます。
逆にピントが合っている範囲が狭く、前後にボケている範囲が広く見える状態を被写界深度が浅いといいます。
この被写界深度は、レンズの絞り値(F値)と関係があります。
絞りを絞ってF値を大きくするほど被写界深度は深くなり、F値を小さくするほど被写界深度は浅くなります。
また、焦点距離や撮影距離(被写体とカメラの間の距離)も被写界深度に影響があります。
レンズの焦点距離が長くなるほど、被写界深度は浅くなり、短くなるほど被写界深度は深くなります。
撮影距離(被写体とカメラの間の距離)が短くなるほど被写界深度は浅くなり、撮影距離が長くなるほど被写界深度は深くなります。
被写界深度 浅い | 被写界深度 深い | |
---|---|---|
絞り値 | 小さい(絞りを開く) | 大きい(絞りを絞る) |
焦点距離 | 長い(望遠) | 短い(広角) |
撮影距離 (被写体とカメラの間の距離) | 短い | 長い |
③階調の違い
階調とは、いわゆる色のグラデーションのことです。
イメージセンサーの大きいフルサイズは、APS-Cに比べて1画素あたりの受光面積が大きいため、白とびや黒つぶれを抑えることが可能です。
これも両方比べてもよく分からないレベルだと思います。
APS-C機でも全く気になったことはありません。
④暗所性能の違い
暗所性能とは、暗い場所で撮影する際の性能のことです。
フルサイズは、APS-Cに比べてイメージセンサーが大きいため、より多くの光を取り込むことが可能です。
その結果、暗い場所でもノイズを抑えたディティールの細かい写真を撮影できます。
⑤カメラの大きさの違い
一般的にはセンサーが大きくなるほど、カメラは大きくなります。
これはセンサーサイズが物理的に大きくなるため、カメラ自体のサイズも大きくなる傾向があります。
⑥価格の違い
フルサイズセンサーは製造コストも高くなってしまいます。
したがってカメラメーカーの中でも中上位機種に搭載されることが多い傾向があります。
で、結局フルサイズとAPS-Cって どっちが良いの?
どっちでも良い、が私の結論です。
その理由は以下です。
- 画角の違いはレンズの選択でカバーすれば良い
- APS-C機でもボケは表現できるし、ボケだけが写真の表現ではない
- 階調の違いなんて分からない
- 暗所性能の違いも分からない
- コンパクトさを優先するならAPS-Cが良い
- 少しでも価格を抑えたいなら断然APS-Cが良い
- お金に余裕があるならフルサイズを買えばよい
- フルサイズ機にも軽量・コンパクトな機種はある
SONY α7cⅡ と Nikon Z fc 外観・撮影体験の比較
外観の違い
フルサイズ機の SONY α7C II とAPS-C機の Nikon Z fc の外観を比較してみましょう。
両機とも大きさ、重さには大きな違いはありません。
機種 | サイズ (幅×高さ×奥行) | 重量 (バッテリー・メモリカード含む) | 価格 (ボディのみ 直販価格) |
---|---|---|---|
SONY α7C II | 約124.0 x 71.1 x 63.4 mm | 約514g | 295,900円(税込) |
Nikon Z fc | 約134.5×93.5×43.5mm | 約445g | 129,800円(税込) |
Nikon Z fc の見た目と上部ダイヤルでの操作方法が良いかどうかが、ポイントと感じます。
撮影体験の違い
以下は、あくまで私個人の感覚です。
- 液晶画面は、SONY α7C II の方が見やすいと感じます。
- 逆にファインダーは、Nikon Z fc の方が見やすいと感じます。
- 持った感触は、グリップのある SONY α7C II の方が持ちやすいです。
- シャッター音は、SONY α7C II の方が好みです。
- F値・シャッタースピード・ISO感度の調整は、 SONY α7C II の方がやりやすいと感じます。
Nikon Z fc は上部のダイヤルで調整が必要で、これは SONY α7C II のコマンドダイヤルでの操作の方がやりやすいです。
- 見た目は、Nikon Z fc の方がお洒落に感じます。
フルサイズ機でこんな軽量・コンパクトを実現したソニーの技術力は本当に凄い、と思います。
機種 | ファインダー形式 | 総ドット数 | 倍率 |
---|---|---|---|
SONY α7C II | 1.0 cm (0.39型) 電子式ビューファインダー XGA OLED | 2,359,296 ドット | 約0.7倍 (50 mmレンズ、無限遠、-1m-1) |
Nikon Z fc | 0.39型 電子式ビューファインダー XGA OLED | 約236万ドット | 約1.02倍 (50mmレンズ、無限遠、-1m-1) |
SONY α7cⅡ と Nikon Z fc 写真の比較
実際にフルサイズ機の SONY α7C II とAPS-C機の Nikon Z fc で撮った写真を比べてみましょう。
どちらもマニュアルモードでなるべく適正露出になるように撮影しています。
ピクチャーコントロール、クリエイティブルックはいずれもスタンダードの状態で、JPG撮って出しです。
装着レンズは以下です。
機種 | レンズ |
---|---|
SONY α7C II | SONY FE 50mm F2.5 G TAMRON(タムロン) 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD |
Nikon Z fc | NIKKOR Z DX 18-140mm f3.5-6.3 VR |
上と下、どちらがフルサイズ機の写真か分かりますか?
次は暗所での比較です。
ISOの値を大きくしてノイズの出方を見てみます。
レンズの明るさの違いで、片方が明るく写っています。
F値・シャッタースピード・ISO感度は、どちらも同じです。
正解は・・・
上段の写真がAPS-C機の Nikon Z fc で撮影した写真です。
ほぼ違いが分からないのではないでしょうか。
多少色味に差が出ていますね。
Nikonの方が黄色寄りで、SONYの方が青色寄りな色味のような気がします。
JPEG撮って出しなのでこういう差が出ますが、RAW現像で調整するならあまり関係ないかと思います。
ISO感度も6400、10000でもそう変わらない気がします。
写真を拡大して観ることなんて、実際はほとんどないですよね。
フルサイズとAPS-Cに大きな違いはない
メーカーの違うフルサイズ機とAPS-C機を比べてみました。
写真を比べてみた感じでは、大きな違いはないように感じます。
細かく言えば、画角が違ったり、暗所撮影で少し差が出ますが、その差も僅かです。
どっちが良いか迷うなんてことに時間を使うのはもったいないです。
写真を楽しむのが目的なので、写真が楽しければ良いのではないでしょうか?
少しでも安い方が良いなら間違いなくAPS-Cが良いです。
価格が倍以上違うので。
メーカーやユーチューバーさんは、常に最新の機種や高価な機種をすすめてきたります。
そんなレビューに惑わされる必要はありません。
自分でお店に行って、実機を触ってみて、その感覚で選んでください。
限られた予算だと思うので、お金を無駄にしないように自分の目的を明確化して機材を揃えましょう。
カメラを購入する目的は?
カメラを購入する場合は、「カメラを購入する目的は何なのか?」を忘れないようにしてください。
カメラは写真を撮る手段であり、道具です。
カメラという手段・道具を使って、いかに良い写真・楽しい写真を撮るか、が重要だと思います。
たまに手段そのもの自体が目的になっている人がいたりします。
私はIT業界に長くいました。
システムを導入する真の目的は、「業務改善・改革」なのです。
システム自体は業務を改善したり、改革するための手段でしかありません。
それがいつしかシステムを導入すること自体が目的になってしまっている人達を本当にたくさん見てきました。
システムが稼働した時点でそのプロジェクトは解散し、誰も本来の目的が達成されたかどうかの検証も行いません。
本来であれば、システムが稼働した時点こそがスタートのはずです。
そこからシステム導入目的が達成されたかを検証し、まだ目的達成度合いが足りないのであれば、更なる改善が必要になってくるはずです。
その検証と改善を繰り返して、真の目的が達成されるのです。
そんな当たり前のことをしないことなんて普通にありました。
カメラも同じです。
カメラを購入する真の目的を明確にすることが大事です。
決してカメラを購入すること自体が目的にならないようにしてください。
目的から機種を選ぶ
まず、メーカーごとの差なんてほんの僅かだと思います。
機材費用を安く抑えたいなら、断然APS-C機がおすすめです。
カメラ自体もレンズもフルサイズよりは、かなり安く抑えることができます。
また軽量・コンパクトなのも良いです。
結局、高くて重いカメラを購入しても持ち歩かなかったら意味がないです。
お金に余裕があるならフルサイズも良いかもしれません。
私は自分の興味を満たすためにフルサイズ機を購入しました。
今となってはAPS-C機で充分、とも思っています。
カメラは自分の感性にあったもの、気に入ったデザイン、実際の手に取った時の感触が良いものを選べば良いと思います。
実際にカメラで写真を撮っても、写真を拡大して見たり、メーカーごとの写真の差なんて見たりしませんよね。
そんなことしているYouTubeのレビューは参考にならないので注意してください。
まずは自分がどういう目的のためにカメラを購入するのか、よ~く考えてみてください。
- 旅行に持って行って撮影するのがメインなのか?
- 近所の散歩でのスナップ写真がメインなのか?
- 子供の成長記録がメインなのか?
- 野鳥や鉄道、飛行機の撮影がメインなのか?
- 登山に持って行って撮影するのがメインなのか?
- 屋内でのポートレート撮影がメインなのか?
- 屋外でのポートレート撮影がメインなのか?
- 撮影場所への移動手段は電車? 自動車? 自転車? 徒歩?
- 複数の撮影目的がミックスしているのか?
- ・・・
目的に合った選定基準を持とう
選定基準の例をあげます。
- サイズ
- 重量
- グリップの握りやすさや持った際の感触
- デザイン
- シャッター音
- 好きなメーカーかどうか
- 動画も重視するか
とにかく持ち運びを楽にしたいなら、軽量・コンパクトな機種が良いです。
機材が重いだけで、撮影に行くのが億劫になってしまいます。
後は撮影の際にできるだけテンションの上がる機種が良いと思います。
それは高価かどうかだけでなく、自分の好きな見た目・デザインだったり、好きなシャッター音だったり、持った感触がしっくりくる、というようなことで良いと思います。
カメラは真の目的である「楽しく写真を撮る」を実現するための手段・ツールなので、より自分にとって目的を達成しやすい機種を選んだ方が良いです。
撮った写真を拡大してポスターにしたい目的ならフルサイズの方が良いとは思います。
普通に撮影したものをPCやタブレット、スマホで見るくらいなら、APS-Cでも全く問題ありません。
スマホで写真を見るだけならスマホのカメラで充分かもしれません。
メーカーや機種によっての性能の違いはほぼない、と言っても良いと思います。
とかく新しく発売される機種は、新たな機能を付加しています。
果たしてその新機能が自分にとってなくてはならないものなのか、慎重に考えましょう。
最近のミラーレス一眼は、動画性能にも力を入れていて、それで高価になってしまっていると感じます。
私は動画はほぼ撮らないので、動画性能を落としてでも写真に特化して価格を抑えた機種を出して欲しい、と思っています。
数あるレビューをどう使い分けるか?
YouTubeやブログのカメラやレンズのレビューは大体、メーカーから機材を借りてやっています。
そういうレビューは信用できません。
どうしても提供したメーカーへの忖度が働くからです。
また数週間借りても、そんな期間ではその機器の本質を把握できないと思います。
実際に自分で購入して使用している人のレビューを参考にした方が良いです。
メーカーに忖度せずに本音を言えるからです。
私は基本的に自分で購入して使用しているものしかレビューしません。
今後はレビュー依頼があるかもしれませんが、忖度なく本音レビューできるものしか選びません。
またはすごく割り切ってYouTubeなどのレビューを活用することです。
私の各種レビューの使い方は以下です。
- 機器の特徴の把握
- 実際の大きさや形などの確認
機器の特徴の把握 ・実際の大きさ・形などの確認は、HP上の情報を細かく見るより動画や写真の方が手っ取り早いからです。
新しい搭載機能はクローズアップして説明してきますが、その機能が本当に自分に必要な機能か見極めましょう。
新しい機能は魅力的で欲しくなりがちですが、実際手に入れてから一度も使ってない、なんてことは結構あるあるなので。
でも、カメラを購入する際は、お店に行って実際に手に取って触ったりしてください。
その時の感覚が大事だと思うからです。
どうしても近くに実機が触れるお店がない場合は、各種レビューを参考にしてみてください。
まとめ
結論:目的に応じて、フルサイズ・APS-Cのどちらでも良い。
APS-C機の方がカメラ本体もレンズも断然安いけど、選択肢が少ないのが弱点です。
私はこれからも両方とも持った上で、良い所どりをしていこうと思います。
コストパフォーマンスが高いレンズが出たら、検討してみる、とかです。
当面は今あるカメラで腕を磨いていこうと思います。
カメラ・写真の表現力をもっと上げていきたいです。
その過程も【カメラ成長記】として記載していきます。
これからもカメラ初心者の方と一緒に成長していければ、と思います。
「カメラ」カテゴリーでは、私のカメラ成長記としてブログを随時更新していきます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
少しでも私の記事が皆さんの楽しいオーディオ・ビジュアルライフの一助になれば幸いです。
「カメラやオーディオ」などについての悩みや疑問・質問など、ご自由にコメント欄に投稿してください。
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※いただいたコメントは全て拝見し、真剣に回答させていただきます。
それでは、楽しいオーディオ・ビジュアルライフを!!
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